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重症AKI患者でOn line HDFはHDより優れるのか | 腎臓内科医の頭の中

重症AKI患者でOn line HDFはHDより優れるのか

Piotte J, Louis F, Buyansky D, Mereniuk E, Lévesque R, Wald R, Cailhier JF, Côté JM, Beaubien-Souligny W. Online Hemodiafiltration Compared to Conventional Hemodialysis in Critically Ill Patients. Kidney Int Rep. 2022 Aug 24;7(11):2376-2387. doi: 10.1016/j.ekir.2022.08.007. PMID: 36531895; PMCID: PMC9751768.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36531895/

重症AKIとなり、集中治療室(ICU)で週3回なりの維持透析を開始した場合、HDとHDFで予後に差があるのかという論文を読みました。

ICUで維持透析を開始した患者において HDとHDFと比較して、HDFが90日後の生存率や腎機能回復にどのような影響を及ぼすかを評価した、というものです。

主要アウトカム:90日までの全死因死亡率

副次的アウトカム:14日以上のRRT中止と定義される、90日までの腎機能改善。改善日は最後のRRT治療の日と定義された。

腎代替療法(RRT)を必要とする重症患者における重症AKIは予後不良であるとは思っていましたが、多臓器機能障害がある場合の短期死亡率は60%に達するということは知りませんでした。

HDFでは炎症性サイトカインを除去できる可能性があるので、確かにHDに比べて、特に敗血症ではよさそうな気がしますが、この論文ではHDFの使用と死亡率との間に有意な関連は認められなかった(調整ハザード比[aHR]:0.85(0.43;1.67)P = 0.64): 0.85(0.43;1.67)P=0.64)、腎回復(aHR:1.18(0.76;1.84)P=0.47)ようです。ICUの入室期間についても有意差がありませんでした。

透析中の血圧低下はHDFの方が起こりにくい印象です。しかし、確かにダイアライザーや回路が凝固しやすいという特徴を考えると、状態が不安定な方に無理してHDFにこだわる必要はないのかなと思いました。

そもそも、循環動態が不安定な時はCHDFですし。

neutrophil-to-lymphocyte ratio (NLR) という言葉は初めて勉強しました。AKI患者の有害な転帰と関連している、とのことなので少し意識してみてもよいのかと思いました。

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